結膜炎は日常生活でどなたにでも起こりうる一般的な目の病気です。細菌やウイルスが目に入ることで生じます。症状は充血やメヤニ、痛みやごろごろ感などですが、原因の細菌やウイルスによって若干異なった症状を呈するため、症状に気づいたら早めに眼科を受診し、正しい診断のもと、原因となっている細菌やウイルスに最適な点眼薬で治療することが大切です。
1.細菌性結膜炎
赤ちゃんからお年寄りまで年齢に関係なく、細菌(ばい菌)が目に入ることで生じます。病原性の弱い菌から強い菌まで、いろいろな種類の細菌が原因となります。通常は多くの細菌に幅広く効く抗生物質の点眼薬で治療します。
2.ウイルス性結膜炎
もっとも身近なウイルス性結膜炎は「はやり目」と言われるアデノウイルスが原因の結膜炎で、夏を中心に一年中みられます。充血やメヤニが強く、非常に感染力も強いため、周りの人にうつす可能性があります。当院ではアデノウイルスを調べる迅速検査が可能ですので、症状を感じたら早めに受診していただき、的確な診断のもとに点眼治療を始めましょう。周りの人にうつさないための注意点もご説明いたします。「はやり目」は別名「流行性角結膜炎」ともよばれる病名のとおり、結膜炎が治ってきたころに遅れて角膜炎を生じることがあります。角膜炎を生じると、角膜に白い斑点を生じて視力が低下し、治療に数カ月を要するため、結膜炎が治ったと思ってもしばらく点眼を続け、眼科受診を継続することが大切です。
ウイルス性結膜炎にはヘルペスが原因のものもあります。メヤニは少なめですが単純ヘルペス性結膜炎は充血が強く、通常の抗生物質では治らないため、ヘルペスに効く眼軟膏で治療します。また帯状疱疹ヘルペスも原因になります。顔面からまぶたに帯状疱疹を生じた場合、同時に結膜炎を生じることもありますので、皮膚科だけでなく眼科での診断と治療も必要となります。
3.特殊な結膜炎
稀ですが、淋菌やクラミジアが原因で生じる結膜炎があります。いずれも性行為感染症として生じる結膜炎で、適切な抗生物質での治療が必要になりますので、当院ではメヤニを採取して菌を特定する検査を行い診断と治療を行います。