網膜光凝固術(網膜レーザー治療)とは
網膜光凝固術とは、眼底の網膜の病変部にレーザー光線を照射して網膜の病気を治癒させたり、病気の進行を抑制する目的で行う治療です。レーザーの光エネルギーで網膜の細胞に刺激を加えて治療するものから焼き固めるものまで、病気の種類や病状によってレーザー治療の条件を最適化して行います。
当院のレーザー機器「LightMed TrueScan®」は最新鋭のパターンスキャンや閾値下マイクロパルス機能を搭載し、患者様にとって負担の少ない低侵襲で短時間の治療が行えます。網膜疾患、黄斑疾患のほか緑内障の治療でも使用します。
網膜剥離・網膜裂孔へのレーザー治療
網膜剥離は目の病気の中でも頻度の高い疾患です。目の前に浮遊物が見える「飛蚊症」や視界の端が光る「光視症」が網膜剥離の初期症状として自覚することがありますが、進行すると視野が狭くなり失明することもあります。硝子体の加齢変化で網膜が牽引されて網膜が破れる「網膜裂孔」が原因となり40~50歳前後に発症することが多いですが、強度近視やアトピー性皮膚炎、眼打撲などの怪我が原因で20代の若い方にも網膜剥離を生じることがあります。
網膜剥離は薬で治らないため、レーザー治療または手術が必要になります。
網膜剥離の初期段階は網膜に孔が開いた状態で「網膜裂孔」「網膜円孔」と言います。この状態であればレーザー治療が可能です。網膜の孔の周囲をレーザーで焼き固めることによって、網膜剥離への進行を抑制します。網膜裂孔や網膜円孔は網膜の一番端にできるため、レーザー治療後に視力障害や視野狭窄を生じることはありません。
レーザー治療後でも硝子体牽引が強い場合は、網膜剥離へ進行してしまうこともあります。また既に網膜剥離を生じている場合もレーザー治療が無効なため、硝子体手術などでの網膜剥離手術が必要となります。急な飛蚊症や光視症に気づいたときは、早めに眼科を受診して眼底検査を受けましょう。